2012/04/09

すっきり


ここ数日整理していたコンポジションのデータの中で、
最も数が多くなおかつ保存状態も良かったのは、
Ustad Kukub Khanによるコンポジションだった。

Rag Kukub Bilawalを創造した音楽家ということは知っていたが、
どのような経歴の音楽家なのか全く知らなかった。

ネットで検索しても全くヒットしなかったので思いつく本を引っ張り出して探してみたが、
どの系図にも出ておらず疑問は膨らむばかりだった。

そして最後に開いた本、Allyn Miner著「Sitar and Sarod in the 18th and 19th Centuries」でやっと見つけることが出来た。

それによると数々の伝説を残したOudの王 Wajit Ali Shah の宮廷に仕えたことのある、
Ustad Basat Khan の弟子 Ustad Na'matullah Khan の息子であることがわかった。

Ustad Basat Khan は楽聖 Tan Sen の血筋を受け継ぐSarod奏者で、
1858〜1869年までイギリスによってOudからCalcuttaに移送された、
Wajit Ali Shahに仕えていたという。

Kukub Khanの本名はAsadullah Khanというらしい。
読み進むうちに面白いエピソードが出てきた。

1908年Kukub KhanはMotilal Nehruによってイギリスとフランスに招かれた。
Motilal Nehruはインド初代首相になるJawaharlal Nehruの父。

その演奏旅行中に彼のサロードは壊れてしまった。

そこで彼はバンジョーを買い求めフレットを外し、
指板に金属プレートを貼りサロードのように演奏しパリでのコンサートを成功させた。

並外れた執念と言うべきか?
それとも驚くべき柔軟な頭脳の持ち主だったと言うべきか?

今、妙な親近感を感じながらコンポジションの譜面を読んでいる。


勿論そのバンジョーはインドへ持ち帰りいくつかのレコーディングでも使用したらしい。

ところで
Rag Kukub Bilawalはバンジョーで作ったのだろうか?