2015/06/14

You'd Be So Nice To Come Home To 気になる時間帯は?

Helen Merrill が Clifford Brown を迎えて唄ったスタンダード。

これはもう夜更けとしか言いようのない曲だ。
爽やかな朝の時間には決して似合わない。

大都会では別として基本的にJazzは夕暮れ、お酒でも飲もうという時間帯に似合う音楽だと勝手に思っている。

お酒を飲みながら労働の疲れを癒すために最適な音楽。
夜勤明けに飲みながらなら朝でも良いだろう。

しかし、これから一日が始まろうと言う時には・・・。

「あなたのもとへ帰れたら・・・」という濃厚なラブソングはせめて夕方・日没の後から。


もしこのメロディーをRagにあてはめるならばMishra Piluだろうか?
Mishraというのはミックスという意味なので、メインのRag以外のメロディーも使われる。

もともとPiluはユニークなRagで、北インドの基本的音階「10のThaat」に、Lalitと共に含まれないという説もある。

中世にデリー王朝がペルシャ文化の影響を受けた時代や、ムガール帝国が今よりも西北にのびていた時代など、異文化の香りの中で生まれた印象がある。
 

Piluが唄われる時間帯は午後から夕方の時間帯の16:00~17:30だが、イブニング以外はいつ唄っても良いとも言われている。

流派ごとのバリエーションも豊富で、1オクターブの12音全てを使って唄われたりもする。


この曲をPiluにあてはめた理由は、基本Dorian modeのなかで使用される長7度と短5度(インド音階的には4♯と捉えている)。

Piluの印象的な短3度、2つの7度は感じられるが、Piluでよく使われる長3度はこの曲では使われていない。



この曲のRagは暫定Mishra Pilu、時間帯はやはり夕方以降が望ましい。