2017/12/28

Merry Christmas & Happy New Year




歳と共に「あれは何時だったっけ?」ということがよくあり、そして「あれはそんなに前のことだったか。」という答えにだいたい行きついています。




しかし2017年は決してあやふやな記憶にはならない年になりました。




いろいろな初体験に満ち溢れ、経験し難いこともたくさん経験しました。




先日お世話になっているケアマネージャーさんと、1月からのリハビリについての相談をしましたが、その際にケアマネージャーさんが当初私が末期癌の患者ということで、看取る覚悟で私の担当になったと聞かされました。



いろいろな意味で凝縮された2017年を見送り、期待と不安の中で2018年を迎えようと思います。




今思い返せば2017年は結果的に最高の年になりました。




皆様、2018年もどうぞよろしくお願いいたします。



















2017/12/24

2017年12月29日 今年の弾き納め






弾き納めと言っても今年はこれが4回目の演奏。




今年はコンサートでの演奏は無理かと思っていたが、たくさんの人達の応援とご助力をいただき、かろうじて復帰することが出来ました。




29日はディネーシュ・チャンドラ・ディヨンディ氏との共演。




師走の忙しい中かと思いますが、ご来場をお待ちしております。




残席僅かに残っているそうです。







ディヨンディバイは私のニュースを聞くとすぐに電話をかけてきてくれ、その頃まだかろうじて声が出せていたので、電話をとり彼からの激励の言葉をもらった。




以後だんだんと発声が厳しくなっていき、電話もとれない状況になっていった。




回復にともなって少しずつ声をだせるようになってきたが、iPhoneのShiriもまだ私の声を聞き取れず、いつもとんちんかんな答えを返してくる。




それだけならばまだいいが、言葉を数字と聞き間違えて勝手に電話を発信してしまうので、最近はShiriを使っていない。




今の私にはShiriに言葉を理解してもらうのが回復のバロメーターと言える。




あとはまだ少し肺に溜まっている水が抜けてくれればもう言うことはない。




















2017/12/20

年内最後の外来診療




昨日は年内最後の外来診療でCTの撮影も行った。




最初は造影剤を入れると身体が熱くなる感覚に驚いたりしていたが、もう驚くこともなく「おっ来た来た」という感じ。




この病院は19階建ての大きなビルで3階までは吹き抜けのエントランスで、エスカレーターの上りは4階まであり、その3階から4階へのエスカレーターは4階に着く直前にご機嫌な8分の6拍子を刻んでいる。




4階はレントゲンやCTなどのX線の撮影室が集められた階でよく行く場所なのだが、その8分の6拍子聞きたさにいつもエレベーターを使わず必ずエスカレーターを使っている。




そして肝心の検査結果だが、嬉しいことに心配される癌細胞は写っていなかった。




あまりの嬉しさに、痛み止めや睡眠導入剤の薬の処方をしてもらうのを忘れてしまった程だった。




あわてて支払いを済ませた後で処方箋をもらいに引き返した。




ちょうど昨日は定期的に行なわれているエントランスコンサートの準備の真っ最中で、今回はクリスマスコンサートと銘打って八神純子さんの出演だった。




用事がなければ是非聴いていきたかったのだが、後ろ髪を引かれる思いで病院を後にした。




用事というのは土曜日のライブ用にネット通販で買ったコンタクトピックアップが特殊な端子だったので、それを標準端子に変換するアダプターを求める買い物だった。




どこにでもあるものだと思い、最初に銀座の楽器屋さんに行って訊ねると、「うちにはありません、そういった物は電気屋さんの方が持っていると思います。」と言われ有楽町の電気屋さんへ行ってみた。




そこでは「うちにはありません、やはり楽器関係のアクセサリーは楽器屋さんじゃないでしょうか。」と言われ御茶の水の楽器屋街へ向かった。




御茶の水の楽器店を片っ端から訪ねて歩いたが、「うちは輸入物は扱っていません。」とか「そういった物は電気屋さんへ行った方が確実だと思います。」と言われ、「じゃあどこへ行ったらありますかね?」と訊くと「やはり秋葉原じゃないですか。」と言われた。




しょうがないと今度は秋葉原へ行き大きな電気屋さんで訊ねると、「うちにはありませんね。」と言われ、「どのお店ならば持っていそうですか?」と訊くと、電気屋街の地図を出され「ここならばあるかもしれません。」と言われそのお店に行ってみると、「うちにはありません。」と言われた。




八方塞がったと思いその電気屋さんを出た路上で、ふと思いつきそのコンタクトピックアップを買ったサイトのコールセンターへ電話をかけた。




電話に出た担当者に欲しい物を伝えると、商品番号を教えられそのサイトで検索してみたら直ぐにヒットして、あまりにも呆気なくあっさりと注文できてしまった。




どれだけ歩いただろう、もう笑えるほど疲れていた。




はっきり言って過剰なリハビリ。




これならば病院でエントランスコンサートの開演を待っている間に指先一つで事が済んだのだ。




ドォ〜っと襲いかかってきたやり場のない疲れの中、病院内ですれ違った八神純子さんの素敵なオーラを思い出していた。






あとの祭り。








先日の復帰コンサートで演奏後のインタビュー形式のトークの際に、gumi君からの最後の質問が思い出された。





「もしも過去の自分に言葉をかけるとしたら何と言いますか?」









「アホか!」


















2017/12/16

歩くリハビリ




少しずつ歩ける距離がのびてきて、昨日は初めて駅から自宅までの登り坂を上がることが出来た。




ごく普通のことかもしれないがこれは感激的なことだった。




階段の上りも随分と慣れてきたが、まだ下りは少し難しい。




傾斜や段差もトレーニングで少しずつ克服して、そのあとは小走りくらい出来るようになりたい。





どれ位の時間がかかるのだろうか?











2017/12/12

久しぶりにカラダスキャン




入院中は毎朝体重を計ることになっていたが、毎日一定量の点滴で生きていたので体重に変化がある訳もなくモチベーションは上がらなかった。




いつも看護師さんに「ちゃんと計ってくださいね。」と言われていたが、いつ計っても38kg前後なので怠けがちだった。




一昨年ダイエットしていた時は1日に何度も体重を計っていたのに、やはり自分自身に目的がないと勢いがつかない。




最後に小腸の再建?手術をした後は、手術中の水分補給で水太りして体重も42〜3kgになって浮腫んでいた。




浮腫みは退院後1カ月位は続いたが、食事を摂るようになり体重も増えたものの、48kg前後で止まりそのまま安定してしまった。




ダイエットをして10代のころに戻した体重55kgが多分理想だと思うが、今は50kgの壁を突破できずにいる。




退院後食欲の権化のように食べ続けていた時は、ある時期が来たら急に爆発的に太ってしまうかもしれないと思っていたがそれもなく、今は食べる量も普通になり安定している。




体重を計るモチベーションも再び失せていて、先月の外来の時に先生に体重を訊かれ「最近計っていませんが多分48kg位です。」と答えるしかなかった。






せっかく立派な体重計があるのだからと、久しぶりにカラダスキャンをしてみた。




体重 48.8kg、やはり大した変動はなかった。


体脂肪率 6.8%、まあ順当な値か。


体年齢 18才、別に喜べない。


BMI 16.3、これ相変わらず意味がわからない。


基礎代謝 1309kcal、大盛りカツ丼より多い?


内臓脂肪レベル 1、これもどうなんだろう?




・・・・・・・











2017/12/10

カレンダー




今日久しぶりにカレンダーをめくった。




緊急入院したのが4月下旬だったので、それから時間が止まっていた感覚だ。




8月下旬に退院してからは復帰公演に向けて、あと何日というカウントダウン生活だったので、カレンダーを見ることはなかった。




やっと日常らしい日常が始まったのでやっとカレンダーをめくった。






今年はあと20日しかないのか・・・。














2017/12/06

復帰公演 第2弾 横浜終了!




おかげさまで無事に横浜公演を終えることができました。




京都公演に引き続き大勢の方々にお越しいただきありがとうございました。




退院以来かなり困難なリハビリを経てきた印象もありますが、お客様からはそれを遥かに上回る喜びをいただきました。




今後は少しずつ普段の活動に戻れるよう、更なるリハビリと練習の日々を過ごしていこうと思っています。





今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。








12月9日 FM 京都








先日、FM京都の「Aricoピータースレストラン」の収録にお邪魔してきました。




お話だけではなくAricoさんとのセッションもありました。




オンエアは12月9日(土曜日)20:00〜21:00です。






京都以外の皆様にはRadikoなどで視聴可能ということです。











2017/11/28

復帰‼︎












おかげさまで演奏活動に復帰することができました。




一年前に癌が発覚した時にはまさかこのような日がやってこようとは想像すらしていませんでした。





当時はどちらかと言うと癌が進行して体力が奪われてしまう前に、自身の集大成の演奏をしておきたいと思っていました。





しかし治療が始まってからあれよあれよと言う間に体力的にどん底まで急降下してしまい笑うしかない状況でした。




そのような中で受けた治療が爆発的な効果を発揮し癌細胞がみるみる小さくなったものの、それに伴って腸閉塞を併発してしまい手術を受け、演奏活動が現実的になったとは言えそれはとても遠い目標に変わりました。




入院中から目標に向けたイメージトレーニングは続けてきたものの体力と筋力の回復、そして楽器と馴染むというリハビリを経て、遂に演奏本番を迎えられ感無量のひと時でした。




濃密な時間を共有しにご来場下さった皆様ありがとうございました!




今週末は横浜公演です。




ご来場心よりお待ちしております。









2017/11/22

いよいよ







おかげさまで今週末に復帰出来ることになりました。




今年の春には復帰ライブを2回も土壇場でキャンセルという苦渋の決断をせざるを得なかったので、今回も期待と不安が入り混じる中での準備期間を過ごしてきましたが、めでたく実現に漕ぎ着けることが出来ました。




お世話になった病院の先生・看護師・スタッフの皆様、ありがとうございました!




今回の公演の実現に向けて奔走してくださった Namaste Group さん、ご支援いただいた皆様、ありがとうございました!




そして、応援・激励のメッセージを送り続けて下さった皆様、あらためて御礼申し上げます。



本当に勇気づけられました。





ありがとうございました!













2017/11/21

悲喜交々




外来診療を無事終えた。




緊急入院させられることなく娑婆に留まることができたので、晴れて復帰ライブに臨める。




恐れていた恒例のどんでん返しは無かった。




血液検査やレントゲンと院内を動いている間に、入院中に同室だった方とエレベーターで偶然会った。




5カ月ぶりで紆余曲折あったようだが元気そうでなによりだった。




だが同時期に同室だった方の訃報も同時に聞き悲喜交々。




退院後も特に気になっていたお二人だった。








2017/11/18

変化





この1年の闘病生活で嗜好が変化したようで、珈琲よりもお茶をより好むようになったみたいだ。




以前は珈琲無しには何も始まらなかったが、今はそれ程のことでもなくなっている。





珈琲豆にもかなりこだわってブラックで飲んでいたが、市販のミルクと砂糖が入ったものも飲むようになったのは自分でも驚きだ。






明日火曜日は外来診療だ。




「また例によってどんでん返しで緊急入院させられたりして。」なんて軽い冗談にも過敏に反応してしまっている。






2017/11/11

ありがとうございます




思ったより早く回復しているところと、思ったほど回復していないところがある。




楽器を弾く為の筋力や感覚は戻り馴染んできたが、それ以外のことには相変わらず苦労している。




弾くことに関しては入院中のベットでも指や腕のリハビリをしてきた効果が表れているようだ。




今現在最も驚いているのは身体が異常にかたくなってしまったこと。




左肩からは柔軟性が失われ、これが六十肩というものか?という痛みもある。




そして股関節、膝間接も老人のようだ。




こりゃ真面目にヨガをやらないと不自由が続きそうだ。




そうこうしているうちに時間は過ぎていき、いよいよあと10日で復帰コンサートだ。




この実現の為に尽力してくれた人々、ずっと応援・エールを送り続けてくれたみなさん、ありがとうございます。




治療開始から復帰までほぼ1年の歳月を費やすことになってしまったのは全く予想外のことでしたが、結果的にはこの1年のお休みがあったからこそ到達できたという景色を見られるようこれからの時間を過ごしていこうと思います。




まだ自宅には介護ベットが鎮座しており、眠る時はとても楽な姿勢をとることが出来ているが、以前のように練習以外の時間を介護ベットで過ごすことはなくなった。




これはとても画期的なことでやっと床上げならぬ床離れが実現した。




足腰のリハビリにはまだしばらくの時間が必要だが、最終的には溪を歩けるまでには戻したい。




やっぱりヨガかな?














2017/11/09

12月23日 土曜日




来週土曜日は横浜中華街のインドレストラン「DELHI DINING」で津軽三味線の山本竹勇さんとの響宴です。




昨年秋にお互い健康不安を持ちつつご一緒して以来、それぞれ治療を経ての共演になります。




今回の演奏は特別なものになると思います。




皆様のお越しを心よりお待ちしております。








津軽三味線とシタールの響宴

日時:2017-12-23(土)

20:00start

山本竹勇/津軽三味線  井上憲司/Sitar

ミュージックチャージ¥2,500 食事は別途オーダー下さい

17:30open~開演までお食事をお楽しみ下さい    

DELHI Dining

横浜市中区山下町207 関内JSビル 1F

TEL 045-633-9393










2017/10/25

外来




今日は1カ月ぶりの外来診療。




血液検査では前回までよりも目覚ましい回復が見られ、炎症反応も正常値にもう一歩まできている。




これは自覚症状にも顕われているので、ある程度予想出来ていた。




体重はそれ程変化していないが、脚も腕も筋肉が戻ってきつつある。




練習も少しずつ無理なく出来るようになってきたが、実際には思っていた以上に腹筋を使っているようで、手術の傷痕が痛むので相変わらず痛み止めの薬は手ばなせない。




しかし復帰に向けて着実に努力していかれる幸せを噛み締める今日この頃だ。










2017/10/23

座る




痩せた影響で尻の肉が薄くなってしまい座るのがきつくなっている。




最初にシタールを弾き始めた35年前に感じた痛みを思い出している。




当時は指や脚だけではなく全身に痛みを感じて気持ちが折れる気分だった。




そして驚いたことに身体の柔軟性がこの1年で全く失われていた。




別にヨガなどしていたわけではないが年の割には柔らかい身体だったのが、気がついてみると年の割には驚くほどかたい身体になっていた。




気づいた時は愕然とした。





やれやれ













2017/10/20

カフェハリダース




今週やっと長い間食べたいと思い続けてきたカフェハリダースのミールスを食べることが出来た。




逗子海岸のカフェAMAREで毎週木曜日に提供されるカフェハリダースのミールスは、シバナンダアシュラム仕込みの本格南インドベジタリアン料理。




美味いと言う多くの口コミ情報を聞いていたが、週1のみの営業なのでタイミングを合わせるのが難しかった。




味は口コミ情報どおり美味しく、ダル・サンバル・ポリヤルなどどれも感心する味つけで、中でも手作りのショウガのアチャールと青唐辛子のアチャールはど真ん中だった。





不思議なことにベンガルスタイルや北インドの料理は最早マイホームテイストになっていて、南インド料理を食べると何故か無性にインドへ行きたくなってしまう。



















2017/10/16

発声と声




腫瘍と放射線治療の影響か反回神経が受けたダメージが回復せず、声がなかなか元に戻らない。




手術で切った痕の痛みもかなり癒えてきて、徐々に普通の身体に戻りつつある中で声だけが足踏みしている。




声に異常を感じ始めたのが去年の11月頃だったので長くこの状態が続いていて、電話で話すのが難しいのがとても不便だ。




治らない可能性もあると聞いているが、時々地声に近い声が出る時もあるので割と気楽に構えている。




声帯に有効なトリートメントをすれば少しは早く治癒するかもしれないが、声を積極的に使う仕事ではないので日にち薬に任せている。






今は座って楽器を構える姿勢がやっと身体に馴染んできたことが何より嬉しい。




まだまだ100%の力を楽器に伝えることは難しいが、随分と無駄な力が抜けてきたので安堵している。




久しぶりに練習を始めた時は楽器が超不機嫌でどうなることかと途方に暮れてしまったが、最近やっと快く受け入れてくれるようになってきてホッとしている。




少しずつ失われた身体のバランスを取り戻し、想いを音に託して言葉より饒舌に伝えられるようになるまで調整していきたい。










2017/10/13

なかなか太れない




退院後から頑張って食べ続けているがなかなか太れない。




入院中にベスト体重から16kg落ちてしまい、退院時には11kg減だったところから今はやっと8kg減まで戻している。




退院時はまだかなり浮腫みもあったので取り戻した体重は数字以上だと思うが、体力・筋力と共にやはりもどかしさを感じるスピードだ。




血液検査をしてみるまではわからなが、数値でもかなり改善されたような実感はあるが、相変わらずガリガリでサイズの合う手持ちの洋服が無くて困っている



ヨギならば現状維持でベストなのだろうが、楽器を弾くにはこれでは足りない。




きっとどこかに分岐点があって、ある時期を過ぎると急激に太りだすのだろう。




その辺りは慎重に見極めていかないと後で大変なことになってしまいそうなので、なんとか程よいところに落ち着きたいと思っている。




今はしばし食べても太れないという贅沢な悩みの中にある。














2017/10/11

現状




肝心のリハビリの状況はと言うと、まだまだ課題は山積みだ。




日常生活を送るにはさほど問題はないが、楽器を弾こうとすると強張った筋肉や微妙に残る浮腫み感はかなり気になっている。




とりあえずゆっくり動かしながら強張りをほぐしている。




長期の入院中あまり動かせていなかった関節や、使われなかった筋肉が現在の違和感を生んでいるようで、バランスも取り戻していかなければと思う。




練習しながら少しずつリレーが繋がるように感覚が戻っていくのを実感しながら弾いている。




身体の変化が次第に音に現れてくるのも注意深くチェックしながら身体と対話。




こうした日々に戻れたことに改めて感謝し、忘れそうになっていた感覚を一つ一つ取り戻していく。













2017/10/03

イメージトレーニング




小腸が分断されていた3か月間に最も気になっていたことは、再建手術で小腸を繋いだ後で切断した部分から下の消化器が正常に機能するかどうかだった。



外科の主治医の先生は質問した時にニコッと笑って問題ないと言われたが、私にとっては俄かに信じ難いことで不安に感じていた。




そして術後2か月経った今、信じられない程の胃腸の調子良さに自分でも驚いている。





最初は違和感や膨満感を感じていたがそれも次第になくなっていった。







入院中は病室でもWifiを使えたので、最初はお笑い系の動画を観ようとP.C.を持ち込んだのだが、すぐに食べ物系の動画ばかりを観るようになった。





笑うことによって免疫力が上がるとはいうものの、落語や漫才を聞きながら笑いを堪えると手術の傷痕が痛んだ。





四人部屋の病室内では皆イヤホンを使うので、消灯後の暗い病室でテレビを観ている人の笑い声があちこちから聞こえてくるのは、ちょっと異様な光景だった。





食べられない日々に食事の動画は目の毒かもしれないが、色々な国のユーチューバー達が各国の料理を食べまくる動画は、目の毒以上に強制的に休ませている小腸・大腸を充分に刺激してくれた。





そしてその状況を目撃した看護師さんは、私のベッドの一角が病棟で一番シュールな空間だと言われた。





しかしいよいよ小腸の再建手術を受ける頃には、私がどんな食べ物の動画を観ているのか楽しみに見に来られた。





その頃私は大食いユーチューバーの動画や、それまで食事の度に自分で撮っていた食べ物の写真のスライドショーもよく観ていた。




それはもうイメージトレーニングのようなもので、食べられない状況にあるフラストレーションを感じることさえなかった。




今はしばし食べたいものを食べられる幸せに浸る毎日を送っている。