2017/05/31

そろそろ




6月に入ってそろそろ一時退院の目処を立てようと相談を始めた。



24時間点滴の問題や訪問看護、それから念のため介護保険の申請についてなど説明を受けるが、今まで全く未知の世界だったことばかり。



退院となると個人的には今まで考えないようにしていた楽器のことがまず最初だ。

やっと楽器に触れる。

こんなに長期間楽器に触らなかったことはない。



期待と不安が半分半分な中でイメージだけは保ち続けていたが。




退院したい気持ちははやるがもう少し体力・筋力を回復しないと日常生活はままならない。



来週には免疫療法も再開する予定。


中断されていた本来の治療に戻ってやっと出口が具体的にイメージ出来る。



当初あまりにも順調だったことから考えると大きくまわり道をしているが、これはこれで私にとって必要な時間だったのだと最近思えるようになってきた。









2日がかりでグールド、アルゲリッチ、ルービンシュタイン、ホロビッツをおさらい。







2017/05/30

外の空気を吸う




昨日は超久しぶりに病院の外へ出て外の空気を吸った。



37日ぶり、それはそれは感動的な瞬間だった。



思ったほど暑くなくちょうど良い陽気も心地良かった。



やはり外は院内とは違った匂い。



色々な匂いが混然一体となっている。



何の匂いが混ざっているのか分析を試みたくなる。





犬になった気分だ。









2017/05/29

痩せた



体重の減りも下げ止まったような印象。



点滴での栄養摂取に身体が慣れてきたのか?



それでもベストの体重から20kg近く減っているので、どことなくふらふらして地に足がつかない感じだ。



久しぶりに鏡を見た時は愕然としたが、最近は発掘されたミイラみたいなこの顔にも慣れた。



髪も伸び放題でかなりきわどいルックスをしている。



まあそういうところまで気がまわるようになったのは回復してきた証しか?



見た目も大きく変わったが意識も今までとはかなり変化し、変わった意識でこうして時間を持てるというのはありがたいことだ。









リハビリを頑張り過ぎると体重にも影響するみたいなので、昨日はあまり動かずサボりモード。



こんな日はZappaか?



2017/05/27

シャバ




久しぶりに一階に降りてみるとやはり刺激に満ち満ちていた。



カフェのメニューもコンビニの商品棚も目にヤバイものばかり。



気をつけないとシャバは危険がいっぱいだぞ。



一時退院する時がかなり不安になっている今日この頃。



引きこもり必至だな。





眼に映る全ての物を口に入れてみたい衝動に駆られた。








2017/05/26

座る




最近になってベッドで胡座すわりでいられるようになってきた。



もちろんシタールすわりもリバースも出来る。



パソコンの作業も楽になった。



痛み止めの点滴を入れる回数も減らせているのでこのまま少しずつでも戻せていけたらと思う。



まだ痛みにむらがあり痛みの強い日とそうでもない日があり、自分の身体ながら不思議に感じている。



痛みで変則的だった呼吸も自然に深い呼吸ができるようになったので、なんちゃって?ヨガをそろそろ始めてみようかと思う。








病棟も静かな日曜日、久々にマイルスを聴きながら過ごした。









Bandesh




自分の中で長いこと懸案事項だった手許にあるBandesh(コンポジション)の数々。



縁があって私のもとに集まった歴史的音楽家の残したコンポジションをホームページで公開する方向で準備に入りました。



19〜20世紀にかけての音楽家の作品は、今読み込んでみると内容は発見に満ちていて参考になります。




歴史から何かを学ぼうという人にはお薦めですが、オリジナル譜はベンガル語です。



当初はベンガル語の譜面をアルファベット表記に変えたり解説も加えてなどと考えていましたが、膨大な量で時間がかかりすぎるのでとりあえずアップすることにしました。



時間の許す限り翻訳作業も併行して進めるつもりですが、どの様なデータにするか検討しているところです。



いっそのこと五線譜も作りMIDI音源も付けたらどうか?とも考えていますがハードル上げ過ぎかな?





季節限定




入院以来温度管理された病室で過ごしていると、季節の移り変わりの感覚が失われていく。



窓の外の光線を見てその変化から気温を予想したりするがまるで実感がわかない。



看護師さんに尋ねても「朝は涼しかったですが、私達も院内にいるのでよくわからないんですよ。」

そりゃそうか。


暑かったり寒かったり時にはフィットするのに苦労する場合もあるが、感じることの出来る感覚はやはり楽しむべき贅沢なんだなと今は思える。



食べ物から感じる季節感も贅沢な楽しみだ。



日本では野菜は栽培技術の発展と共に一年を通して食べられるものが多いが、インドは露地物がほとんどなので季節ごとの野菜が人の身体を温めたり冷やしたり自然に季節に身体を合わせてくれる。



もう名残りの山菜など季節限定感のある食べ物は特にありがたみを感じる。



季節の到来をより楽しみにしてくれる食べ物。





残念ながら今年の新子は見送りか・・・






冷やし中華は食べられそうかな?





2017/05/25

出会い頭に





全くyoutubeとは恐ろしいものだ。



思ってもいないものと出会い頭にぶちあたってしまった。 



地雷を踏んでしまったな。



普通見つけても避けるだろう、全く俺はアホかドMだな。







2017/05/24

点滴ポートの埋め込み





中心静脈への点滴ポートの埋め込み手術を受けた。



様々な感染リスクを避ける目的ということだが改造手術を受けたような気分だ。



身体に異物を仕込まれた感覚も残っている。



それにしても味が感じられる点滴が登場してもいいんじゃないだろうか?



薬品によってはかすかに匂いを感じられる薬品もあるので可能のような気がする。



餃子味や焼きそば味、ジンギスカン味も楽しいと思う。



それなら豚の生姜焼きや豚カツ、鳥のから揚げや水炊き、ラーメン、カレー南蛮、鰻・・・・・きりがない。













2017/05/23

一カ月経過




入院生活にも随分慣れた。


困ったことではあるが仕方がない。


リハビリの先生の指導のもと毎朝のエクササイズをしているが、痛みのある日は焦らず午後はyoutubeを見て過ごす。



しかし楽器への禁断症状が再発するといけないのでインドものは避けている。



普段は思わず見入ってしまって時間が無くなってしまうと避けていたyoutubeを心置きなく見ていると発見に次ぐ発見の連続。



若い時に聴いていた音楽を今改めて丁寧に聴き直すと自分自身の内面の扉に触れられる気がする。



時間の経過。



時間を持つということの尊さを改めて認識する。







2017/05/22

お引越し




外科病棟から内科病棟へのお引越し。



見慣れた景色ともお別れ。



それにしても今回は山あり谷あり色々な経験を重ねている。



ブログも普段は食べログに近かったものが、すっかりガン闘病ブログになっている。



小学生以来初めての入院で内科、外科、内科と病棟を渡り歩き、しかもこれ程長い入院生活になるとは。



どちらかというと梗塞系で突然死するかもしれないと、そちらの覚悟をしながら暮らしてきたのでそれも意外な現実だった。


外科病棟の部屋は竹芝桟橋を発着する船が見えるのが楽しかった。



季節も春から初夏に移り変わり光の色合いも変わっている。





やはり




本復したらどんなものが食べたいか考えてみると、やはりインド飯が上位を占める割合が高い。



勿論和食も洋食も中華などもあるがインド飯は格別だ。



グルバイの家の家庭料理、コルカタやデリー、日本各地のお店など、考えただけでもグッとくる。



いっそのこと食べたいものをノートに書き出して、それを毎日見ながら病気と戦うモチベーションにしようか?



煩悩だろうが執着だろうが楽しみに出来るものを利用することにしよう。




ターリー食べたい!






2017/05/21

抜糸





今日抜糸された。


明日からはまた内科病棟に転棟する予定。



手術は腸閉塞によるもので直接のがん治療ではなかったが、この度は治療のフルコースを経験している。


放射線治療、抗ガン剤治療、そして手術。

夏に再手術というデザートまで付いた。


カルマだな。




目下の悩みは体重が日々減り続けていること。






2017/05/19

何故か




ここ数日オリジナルの料理レシピばかりを思いつく。


和印折衷のレシピや印洋折衷のレシピなどカレー系が多い。



長い間味覚を使っていない中で味覚の想像力の方は肥大化してきたようだ。


試作するのが楽しみだがいつの事になるやら。



昨日から水は飲んでもいいと言われたがまだ飲んでいない。




2017/05/18

ウォータリアン




半月の間点滴のみの栄養で生きている。


どちらかと言うまでもなく喰い道楽でしかもニクタリアンだったので、水分のみを静脈からというのは不思議な感覚を覚えている。


何も食べていないが空腹感は感じないのも不思議。


断食をする人が言う神経が研ぎ澄まされていくという感覚は無いが、普通に食事をしている時とは明らかに違う意識に変化している。



勿論一度煩悩のスイッチが入ってしまうと食べたいものの数々が、あれやこれやあの店この店という風に襲ってくるのが厄介だ。



このまま水分だけで生きていこうか?









2017/05/17

身軽に




昨日鼻に刺さっていたイレウス管が抜けて全ての管から解放された。


あとは24時間点滴だがこれは当分の間の長い付き合いになるらしい。


その事だけは気が重いが精神的にも肉体的にもさっぱりとしたのは事実。


あとは痛みからなんとか抜け出したいところ。


周りの患者さんに比べ痛みの残りが長い。


思った以上の大手術だったというのもうなずける。



今日は昼過ぎの歩行訓練はくじけた。




2017/05/16

やっと自力で



ベッドの高さ調節機能を使ってベッドからなんとか立ち上がり、点滴スタンドにつかまって歩くリハビリをやっと自力でこなせるようになった。


まだ病棟内だけという限定的な許可だが一人で歩けるのは嬉しい。


まだまだ長い道のりだがふらふらと少しずつ。














2017/05/15

院内散歩



昨日は車椅子で院内散歩をした。


病室のベッドと病棟内だけで20日間過ごしてきたので、外の世界?は刺激に満ちていた。



カフェテリアでは色も匂いもBGMだったビートルズも何もかも新鮮だった。


何も口に出来ないので景色ばかりを見ていたが、運ばれている全てのものの匂いに敏感に反応しその度に動揺してしまった。



まだまだ修業が足りない。



















2017/05/14

痛み止め




手術から10日余り経って自動で定期的に投与される痛み止めがストップされた。



今は3種類の痛み止めを痛みに合わせて投与しているが、それぞれよく効くのでとても助かる。



まだまだ力は無いがなんとなく神経が繋がったように身体の思った場所を動かせるようになってきた。



しばらくはこのもどかしさとの戦いなんだろうな。






不完全な



身体に刺さっていた管も大分抜け随分身軽になってきた。


不完全な生命維持活動にもなれてきた。



目下の悩みはやはりリハビリ。



ベッドの中で姿勢を変えたりするのはなんとか出来るようになったが、まだベッドから立ち上がることが出来ず不自由だ。


免疫の暴走を止める薬の副作用が筋肉を衰えさせるようで全く不条理だ。



今は歩行機で歩いているのを点滴スタンドで歩けるように訓練中。


まだまだ体幹の力が足りない。




週が明けると本格的なリハビリが始まる



少しずつでも体力を取り戻しまともな身体に戻す為の準備が出来ればと思っている。












2017/05/11

明日




福井 赤坂未来塾でのイベントに出演叶わず申し訳ありません。


実に順調に薬が効いていたので練習・準備も進み、今週から少しずつ復帰していくつもりだったのでとても残念な結果です。



11月の病気発覚の際にも自主公演を悔しさの中断念しました。


またそういうタイミングだったからか自然とブログで病状報告をすることになり、結果的に多くの闘病情報や応援のメッセージを心強く受け取らせていただいています。



病巣の関係上発声し辛くお電話は取れなかったり、フェースブックに対応出来ていなかったり失礼も多々ありますが、どうかご容赦ください。


また見舞いの方もどうかご無用にお願いいたします。


皆様のお気持ちだけで充分です。






明日のイベントには遠くから参加させていただきます!



皆様どうぞよろしくお願いいたします。






2017/05/10

絶飲食



緊急手術から1週間が経った。



緊急手術によって生かされたこの時間は、言わばロスタイムのようなもの。



生命維持しつつリハビリをしているがこのまま日常生活には復帰出来ない。


もう一度しっかりとした手術を受けてその結果次第で延長戦もありうるか?ということだが、それまでのリハビリも欠かせない。


今は栄養を鎖骨下の中心静脈から点滴で入れていて、口からは何も摂取していない。


自分自身も生きている仕組みをまだ完全に把握していないのだ。



最初はポカリスエットを飲んでみたいとか思っていたが、あれが食べたいこれが食べたいという煩悩と共に消えた。


ただこのロスタイムが自身にとってとても意義が深いものということだけはよくわかる。


毎日午前と午後に看護師さんと歩行機の介助付で病棟を歩く訓練には全身全霊が必要だ。


もちろん一人で出来るリハビリも工夫してやってはいるものの、まだまだベッドの上でもがくばかりでちゃんとした動作になかなか繋がらない。








そして本日予定していた京都 堺町画廊でのコンサートがキャンセルになってしまったこと、誠に申し訳なく思っています。


ご予約いただいていたお客様、そしてメンバー・スタッフの皆さんごめんなさい!


体調を万全にして必ずもどります。


よろしくお願いいたします。







2017/05/09

オールスーパースターキャスト








手術前や集中治療室では夢の登場人物もあちらの世界の人ばかりだったが、最近は現実的な?夢も見られるようになってきた。

手術前後の夢で訪れたコンサートはもう凄いスーパースターキャストで、出演者達もこちらにいた時より凄いことになっていて感激した。



今は毎日1本ずつ身体に刺さった管が順調に抜けているが、まだ沢山ぶら下げていて尾張の大うつけかボーグのドローンのようだ。






手術後に自力で動かせたのは指先だけだったが、他にも少しずつ動かせるところもでてきた。



とりあえず数少ない動く場所だけでもと、ちまちまとしたリハビリ運動をしている。









連休中は





なすがママなら、きゅうりがパパよ。


結局5月4日に緊急手術を行い、一昨日まで集中治療室で過ごした。



まあかなり暫くの間不自由な日々が続きそうだが、なんとかそんな中でも楽しめることを探して過ごしている。