2019/02/03

副作用 味覚と嗅覚






昨年2月のインド滞在中、体調を崩した時に失った味覚と嗅覚がほぼ回復した。




結局治るのにほぼ1年かかったことになる。



長かった・・・





甘い辛いなどの基礎的な味覚は5月頃には感じられるようになったが、それまでは注意深く味の手がかりを探す日々だった。




夏頃に嗅覚が戻り始めると具体的な味の全容が見え始めてきたが、特に臭さのような特定の匂いは感じられず、味のイメージが完全には繋がらなかった。




良いと思う匂いが早くに戻ったのに比べ、悪い匂いが感じられないことを最初はラッキーだと思っていたが、食べ物が痛んでいるのか匂いで判断出来なくなったのは不自由だった。




個人的に発酵食品の中には、あきらかに賞味期限を過ぎてからの方が、食べ頃で美味しかったりするものもあると思うので、やはり嗅覚が万全でないのは不自由だ。




秋頃には臭さも感じられるようになり始め、記憶している味の感覚が感じられるようになってきた。




そして最近になってまだ完全ではないものの、やっと正常だった時の味覚・嗅覚のイメージが取り戻せた。




私と違う抗がん剤を使っている人でも、同じような症状になっている人がいるらしいので、これは抗がん剤の副作用としてありがちな症状らしい。




食感にまで影響が出る場合があるらしいので、私の場合はまだましだと言える。




それにしてもこの副作用はなんとも酷な症状で、この症状がいつまで続くのかもわからない中、微かに変化する味覚や嗅覚の感じ方を手がかりに、味の記憶を整理する日々が延々と続いてきた。






元に戻りつつある今は、普通であることの愉快さを存分に楽しめるようになってきた。