2013/11/23

C♯ インド都市伝説

インドでハルモニウムを弾く人にSaを弾いてもらうと、必ずド♯の鍵盤を押さえる。

ハルモニウムは据置きアコーディオンのような楽器だが、鍵盤を平行移動出来る機種がほとんど。

これはインドのラーガ音楽の場合、基音Saはそれぞれ唄い手や弾き手の基準音にする為、鍵盤を自由に音に当てはめられる。
これは様々な音階の形を楽しむ音楽を弾く場合とても合理的な機能だ。

かくして鍵盤移動で基音に合わせSaはド♯の黒鍵になる。

ドの白鍵から始めればインドの半音階と一致するのに、頑なにSaがド♯なのが七不思議の一つ。



シタールは大体CからDの間をSaに合わせられる。

古典用のHiren Roy & SonsのシタールはC♯に合わせている。

楽器との相性と倍音の鳴り方が良いので選んだが、日常耳にする音楽の音階と合致しないのがいいとも思っている。


いろいろな楽曲を弾けるようにCやDに合わせている楽器を弾いていると、耳にするメロディ全てを弾いてみたい衝動にかられる。

それはそれで面白いことだが、古典ではあまり他の音楽では聴かれない音階がユニークだと思う。


ハルモニウムに鍵盤移動システムが出来る以前、楽器をインド音階に当てはめた時にたまたまド♯の響きが好まれたか謎だが、これは私がわくわくするインド音楽のツボの一つだ。