2014/05/29

お見送り

竹内先生のお見送りに浜松を訪れた。

竹内先生とはいつもこれからの音楽についてのお話しがとめどなく続き、先生ご自身についてはほんの少しのことしか知らずにいたが、ご学友の弔辞から改めて先生のご偉業を知ることができた。

5月14日に最後に先生と電話でお話しした時にもこれから私がどのように自身の音楽を具現化していくのか、そのためにはどのような活動、どのような共演者が必要かなど沢山のアイデアをいただき、私の音楽の良き理解者としてのもったいご評価もいただいていた。

その時に常に未来への思考に向かわれていた先生が、「先生のお見送りには私の音楽で見送って欲しい。」と言われとても気になっていた。
「そんな縁起でもないことを言わないで下さい。」と言い、こんな日のことは露ほども思っていなかった。

竹内先生に企画いただいた一昨々日の演奏の朝、突然の訃報を聞き思い起こされたのはそのことだった。

企画の段階で色々な案をお送りし、先生が選ばれたのは「夕暮れのRag」というテーマだった。

しかし、訃報を聞き私の気持ちは揺らいだ。

そのような中で私の弾けそうなRagはShreeでもPuruviでもMarwaでもなかった。


名古屋から浜松に到着し、そこで先生によって集められたお客様には先生の訃報は伏せてあると聞いた時、空は嵐の前ぶれのようだったのでMiyan Malharを弾くことに決めた。

先生には打ち合わせを違えて怒られるかもしれないが、あの時に弾くことの出来たのは限られたRagだった。


先生ごめんなさい、修業が足りませんでした。



演奏後に先生のご自宅を訪れ、先生にご挨拶をし奥様にお話しをうかがった。

容体が思わしくなくなった先週、病院での特別食でうなぎをたいらげられたとのこと聞いた。


お見送りの帰りに私もうなぎを食べて帰途についた。



実は今回のツアーで先生から浜松で先生お勧めのうなぎ屋さんを直接お聞きしようと思っていたのだ。