コルカタに着いた翌日、楽器のジュワリなどの調整にボロンさんの工房を訪ねた。
今回はメインブリッジ4つとタラフブリッジ1つを調整。
付け替えた時に自分で微調整する必要はあるが、これで一年をまかなえれば自分での作業はいらなくなる。
ボロンさんは三代目で、私は初代のヒレンさんの時代から面倒を看てもらっているが、初代の名工からの技術と魂はしっかり受け継がれている。
そして彼はとても研究熱心だ。
私が今メインで持ち歩いている楽器は、二代目のヒマングシュさんに1990年に作ってもらったもので、いろいろ手を加えながら25年以上弾いている。
Hiren Roy & Sons はかつてラシュベハリアベニューに店を構えていたが、ボロンさんの代に自宅兼工房で仕事をするようになった。
店の時代は買い物客でごった返す喧騒の中で楽器を受け取るので、音色とか微妙なところは自分で判断は難しかった。
特に気に入っていたブリッジが薄くなり減りも早かったので、一昨年で引退させ新しいブリッジをローテーションに入れたので、減りが遅く去年は3つでまかなえた。
自分でも出来ないことはないが、作業をすると指全体が痛くなるのでずっと避けている。
ボロンさんとは最近一年に一度か二度しか会わないが、会うといつも心休まり暖かくしてくれる。