シタールのフレット(パルダー)はジャーマンシルバーという、銅と亜鉛、ニッケルによる合金で出来ている。
それを編み糸や釣り糸などで結んでネックに固定する。
フレットの形状は下曲げをしたフレットを、最終的にハンマーで叩いて成形して完成させる。
インドでは大抵1弦(Baj)を調整するので2弦(Jora)他はチューニングが甘い事が多い。
今回チューニングの精度を上げるため、叩くための台作りから始めた。
木材の上部に溝を掘ってフレットを渡して叩き曲がり加減を調整する。
それなりの重さのハンマーがあれば簡単に成形出来るが慎重さは必要。
フレットの高さを上げ下げすることで各弦のピッチを揃えるが、手が慣れれば強さの加減で自在にコントロール出来る。
こういう作業はなかなか億劫で始めるまでが大変だが、始めると自分の目指す理想の精度になるまで止まれない。
一本でもフレットの形状を変えたらもう後戻りは出来ないからだ。
これは勇気ある作業。
フレットの角度を斜めにしないと合わなかったものを、90度で揃うように調整していく。
この日は3台分の調整をしようと意気込んで始めたが、1台分を調整したところで、フレットを縛る作業で指が痛くなり終了。
結び糸ももともとインド製か中国製のゴワゴワのナイロンテグスで結んであったのを、日本製の20lbラインで結んでみた。
釣りの方で使い慣れたラインとナイロン新素材のものと2種類を用意して、とりあえず延びを若干抑えたナイロン新素材の方で結んでみた。
理屈から言えばソルト用のラインの方が適しているが、ここはこだわりでフレッシュウォーター用のラインを選んでみた。