昨日は年内最後の外来診療でCTの撮影も行った。
最初は造影剤を入れると身体が熱くなる感覚に驚いたりしていたが、もう驚くこともなく「おっ来た来た」という感じ。
この病院は19階建ての大きなビルで3階までは吹き抜けのエントランスで、エスカレーターの上りは4階まであり、その3階から4階へのエスカレーターは4階に着く直前にご機嫌な8分の6拍子を刻んでいる。
4階はレントゲンやCTなどのX線の撮影室が集められた階でよく行く場所なのだが、その8分の6拍子聞きたさにいつもエレベーターを使わず必ずエスカレーターを使っている。
そして肝心の検査結果だが、嬉しいことに心配される癌細胞は写っていなかった。
あまりの嬉しさに、痛み止めや睡眠導入剤の薬の処方をしてもらうのを忘れてしまった程だった。
あわてて支払いを済ませた後で処方箋をもらいに引き返した。
ちょうど昨日は定期的に行なわれているエントランスコンサートの準備の真っ最中で、今回はクリスマスコンサートと銘打って八神純子さんの出演だった。
用事がなければ是非聴いていきたかったのだが、後ろ髪を引かれる思いで病院を後にした。
用事というのは土曜日のライブ用にネット通販で買ったコンタクトピックアップが特殊な端子だったので、それを標準端子に変換するアダプターを求める買い物だった。
どこにでもあるものだと思い、最初に銀座の楽器屋さんに行って訊ねると、「うちにはありません、そういった物は電気屋さんの方が持っていると思います。」と言われ有楽町の電気屋さんへ行ってみた。
そこでは「うちにはありません、やはり楽器関係のアクセサリーは楽器屋さんじゃないでしょうか。」と言われ御茶の水の楽器屋街へ向かった。
御茶の水の楽器店を片っ端から訪ねて歩いたが、「うちは輸入物は扱っていません。」とか「そういった物は電気屋さんへ行った方が確実だと思います。」と言われ、「じゃあどこへ行ったらありますかね?」と訊くと「やはり秋葉原じゃないですか。」と言われた。
しょうがないと今度は秋葉原へ行き大きな電気屋さんで訊ねると、「うちにはありませんね。」と言われ、「どのお店ならば持っていそうですか?」と訊くと、電気屋街の地図を出され「ここならばあるかもしれません。」と言われそのお店に行ってみると、「うちにはありません。」と言われた。
八方塞がったと思いその電気屋さんを出た路上で、ふと思いつきそのコンタクトピックアップを買ったサイトのコールセンターへ電話をかけた。
電話に出た担当者に欲しい物を伝えると、商品番号を教えられそのサイトで検索してみたら直ぐにヒットして、あまりにも呆気なくあっさりと注文できてしまった。
どれだけ歩いただろう、もう笑えるほど疲れていた。
はっきり言って過剰なリハビリ。
これならば病院でエントランスコンサートの開演を待っている間に指先一つで事が済んだのだ。
ドォ〜っと襲いかかってきたやり場のない疲れの中、病院内ですれ違った八神純子さんの素敵なオーラを思い出していた。
あとの祭り。
先日の復帰コンサートで演奏後のインタビュー形式のトークの際に、gumi君からの最後の質問が思い出された。
「もしも過去の自分に言葉をかけるとしたら何と言いますか?」
「アホか!」