2012/07/25

時間は不思議なものだと思う。
一定の長さなのに実際に感じる長さは必ずしも一定ではない。
もし昼と夜の長さが常に一定ならば時間の感じかたも変わるのだろうか?

日の出や日の入りを基準にRagを選ぶので今はサマータイム。
Ragとそうした時間は密接で、夜に朝のRagを聴くのはとても居心地が悪いものだ。
レパートリーが乏しかった頃に、夜公演の2曲目に朝のRagを弾いてしまった時もあったが、今考えるとなんて傲慢なことをしていたのだと反省している。
また時間帯を逆行して弾くこともない。
北インド音楽を勉強し始めた頃は、なんて奇妙な約束事だと思っていた。
多くのRagを習っていっても、実際に通常の夕方から夜のコンサートなどで弾けるRagはその4分の1程度だ。
なので通常とは違う時間帯の演奏の時はとても新鮮に感じる。
奇妙と思われる約束事が奇妙と思わなくなってきた頃、Ragのメロディから様々な時間帯の景色や情感が感じられるようになる。
長い時間をかけて育まれてきた伝統の面白さと頑固さに染まっていくことの心地良さかもしれない。