2011/04/22

Master of Tarana

Ustad Amir Khan(1912~1974)はその絶頂期に最も惜しまれつつ自動車事故で他界してしまった声楽家。
即興性が最も重んじられる北インド音楽の中で、彼の即興性は最も想像力に富んだものだった。
北インド音楽家の中では様式美を追求するタイプと一瞬の創造性を追求するタイプがいるが、彼は後者の中で最も成功した音楽家だった。
絵画にたとえるならば巨大なカンバスに完全なる無限を描くような想像力を持っていた。
また多くのレパートリーよりも一つ一つのレパートリーの完璧性に重点を置き細部まで突き詰めていた。
一瞬一瞬にひらめく想像力をメロディーに還元させるには意識のどの部分とどの部分を接続したらいいのかをわかっていたのかも知れない。
とにかく聴衆は彼の想像力に酔いしれた。
20世紀の全てのジャンルの声楽家の頂点に君臨する一人と言っても過言ではない。