2011/04/22

Uatad Ali Akbar Khan(1922~2009)

北インド音楽の至宝・巨星、Ustad Ali Akbar Khanがこの世を去ったのは一昨年6月のことだった。
音楽における全てを兼ね備えていたと言っても過言ではないこの偉大な音楽家を創りあげたのは、父Ustad Allauddin Khan(1881~1972)と彼自身の限りない音楽への献身だった。
ムガール帝国時代に活躍した伝説的音楽家Miyan Tansenの血をひくUstad Wazir Khanの弟子だった父のスパルタ教育ぶりは有名だった。
Ustad Allauddin Khanに杖で殴られへそを曲げてMaiharを去ろうとしたPandit Ravi Shankarに「殴られたくらい何でもない、私などはしょっちゅう一晩中木にに吊されてきたんだ。」と説得した逸話はよく知られる。

13才の時にAllahabadでデビューコンサートから彼の輝かしい音楽キャリアはスタートする。
1943年JodhpurのマハラジャHanwant Singhの宮廷楽師になる。
音楽に造詣の深かったHanwant Singhは惜しみなく彼をバックアップし学校も設立する。
しかし1948年に若きマハラジャが飛行機事故で亡くなり大きな喪失感と共にJodhpurを去ることになる。
1956年Ali Akbar College of Musicをコルカタで開くが、後にBerkeley、そして1967年にはSan Rafaelへと教育の拠点をアメリカに移す。

演奏家として大成しただけでなく新しいRagも数々残している。
Rag Chandranandan
Rag Medhavi
Rag Gauri Manjari


若くして完成された音楽家だったが年を追うごとにその音楽は輝きを増していく。
それは完全というものも成長していくのだという驚きを実感させられる。
生きた無限は永遠の中で輝き続けるだろう。

インド国内での栄誉はもとより、数々のアメリカでの功績をたたえられ「National Heritage Fellowship」という伝統芸術家に贈られる最高の栄誉をアメリカ政府から受けてる。