2019/04/03

Raagの分類

北インドのRaag音楽は、それらを取り巻く環境の、大きな変化を経ながら今日に至っている。





そのような中で良いものは貪欲に取り入れ、合理的にそれらを吸収していき、そしてそれらの影響は今でも残っている。





Raagの分類では今まで様々なシステムが考え出されたが、多くの変遷を繰り返してきた中、バトカンデ博士によって提唱された、Thaat(タート)のシステムによるRaagの分類法が現在の基準になっている。







タートとは10種類のRaag・音階を基本型として、Raagを分類しようとする考え方で、数少ない例外を除けばRaagはいずれかのThaatにあてはまる。







基準は定まっているものの、今まで巻き込み、巻き込まれた沢山の要素がある為に、この音楽には多くの可能性がある反面、この音楽の解説には膨大な脚註が必要になってくる。





しかし反面その実体は非常にシンプルかつ明瞭で、音の楽しみ方の要素に満ち溢れている。






Raagは理性と情緒、計算と詩情の間の絶妙なバランス感覚を備えた音楽家によって、命が吹き込まれる。