2015/06/13

Scarborough Fair 気になる時間帯は?

この曲はヨークシャ地方で16~17世紀頃に唄われていた曲の19世紀末の編曲を、サイモン&ガーファンクルが唄って有名になった。

歌詞はスフィンクスからの問いかけのようだ。

直感的には朝をイメージさせるが何か妙な感覚を覚える。


音階はDorian Modeで北インドではKafiに含まれる。

Kafiの音階は北インドのベーシックな10種類の音階「Thaat」タートの一つで、この音階のグループには朝から夜まで様々なRagが属している。

Rag Kafiは膨大なメロディーを内包していて、この曲のメロディーも勿論含まれるが、もう少し絞り込んでみたい。

この曲の最初のラインのメロディー 「2 3 2 1」さえなければ、午後のRag Bhimparasri が有力候補。
他のメロディーは合致し、ムードの印象も重なるので実に惜しい。
 Bhimparasriは音階を上がる時には「134571」の5音階、下がる時は「1 7 6 5 4 3 2 1」と7音階に変わる。

「2 3 2 1」「Re ga Re Sa」というフレーズが印象的というと、午前のRag Desiが思い浮かばれる。
これは勝手な時間帯のイメージとも重なる。

2番が始まるとコーラスというよりもBメロが加わる。

その歌詞はスフィンクスの問いかけに、メドゥーサが問いかけなおすような、よりシュールな内容になっていく。

メロディーもDesiでは唄えない「1 2 3 4 3 2 , 3 2 7 1」というメロディーも出てくる。
これはKafiならば唄える。

Desiは10:00~11:30頃に演奏される、Kafiは22:00~23:30頃に演奏される。

頃と言うのがミソで、例えばDesiは午前10時にならなければ演奏を始められないわけではなく、11時半を過ぎたら演奏をやめなくてはならないということでもない。

だいたいその時間帯と捉えてもらえれば良い。

ましてインド時間なるものが存在する国の音楽だ。

しかし緩やかではあるもののこのルールは守られていて、インドで時間帯を無視したRagが唄われるのを聴く機会は稀にしかない。



さて問題の時間帯は午前のDesiと、12時間ずれた夜のKafiが重なっている。


例えば午前中に日食が始まり暗くなってしまったような不可思議な現象下というのはどうだろう?


Rasa(ラサ)はやっぱりShuruか?