家で使っている点滴のポンプは喋る。
病院で使っていたものに比べるとかなりコンパクトで、単三乾電池でも駆動する。
病院のポンプはアラーム音とディスプレーで知らせるが、これは状況を喋って知らせる。
持ち運びも想定しているものだが、電車の中で突然喋り出されても困るな。
点滴の交換や薬品の混注にも慣れてきて、途中痛み止めを使っても点滴スピードの調整で1日の点滴量を落とすのも問題無く出来るようになった。
考えてみれば買い物に行って料理をし、食べて後片付けをすることを思えば簡素で未来的な栄養摂取かもしれない。
元の生活圏に戻ってみると歩く速度なども以前のスピードで歩こうとしがちになるが、それは今の体力とはかけ離れたスピードなことに気づく。
マンションの廊下はさすがに点滴ポールを押して歩けないので、点滴を外して動いているが、身軽さも手伝ってリハビリで病棟を歩いてきたスピードとは極端に違うようで息が切れる。
やはり環境の変化が心理的に与える影響は大きいようだ。
少しずつシャバに慣れつつある。