緊急手術から一カ月が経過した。
まさか自分が手術を受けることになるとは想像すらしていなかった。
特に免疫療法のキートルーダが劇的に効いていたので順調に治療が進むものと思っていた。
異変を感じたのは4月中旬からだった。
まず嘔吐が続き食べては夜から明け方にかけて嘔吐するのを繰り返した。
その後下痢が始まりたまらず病院に駆け込んだらそのまま緊急入院。
もともと首、胸部、腹部と三ヶ所のリンパ節にガンが見つかっていて、首と胸部は放射線治療をしていた。
その後免疫療法に切り替えたが、腹部のガンが影響して嘔吐や下痢に繋がっているようだった。
下痢に関してはキートルーダの副作用としても考えられた。
緊急入院から一週間の点滴で抗生物質やステロイドなどを投与し回復に向かい、連休中には退院かというところまで持ち直した。
しかし食事を摂り始めてみるとやはり腹部に違和感を感じるようになり、最後は激痛に襲われのたうちまわり緊急手術を受けることになった。
腸閉塞で小腸が破裂していたためそこからバイパスし人工肛門へ繋ぐ手術だった。
手術した時は破裂した小腸から漏れた腸液などでかなり汚染され腹膜炎を起こしていたらしい。
ただバイパスしたのが小腸の上の方だったため、このままでは食事をしても栄養を吸収しないうちに排出してしまうので、炎症が治まってから再手術をして小腸を繋ぎ直す必要がある。
術後は炎症と大きな切り跡共に痛みが続いているが、最近になってやっと痛みが引いてきた。
ちょっと安心できる材料だ。
明日からキートルーダの再投与が始まる。
これで順調にガンが消えていき、順調に腹部の炎症が治まって再手術をして小腸を繋ぐことが出来たら本復と言える。
まだまだ気長に構えて臨まなくては。